留学特集
2016.01.27

日本語教師アシスタントはキャリアアップにつながるとして人気急上昇中

最近、キャリアアップにつながる留学として人気が高まっているのが、海外の小学校や中学・高校などで日本語を教えたり現地の教師のサポートをする日本語教師アシスタントプログラム。日本語教師をめざす人はもちろんのこと、現役の英語教師や志望者の参加も増えているといいます。そこで今回は、アメリカの日本語イマージョン教育実施校へアシスタント教師を派遣している特定非営利活動法人 国際教育文化交流協会 ISECE(アイセック)の大野義夫さんにご協力いただき、人気の秘密や現地での生活、実際の参加者についてなど、日本語教師アシスタントプログラムについてご紹介します。

少ない予算で日本語を教えながら英語やアメリカの教育現場を学ぶ1年間

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「アメリカで日本を教えるということで、もちろん日本語教師をめざしている方もいらっしゃいますが、どちらかというと現役の英語の先生や英語教師志望者が英語力アップと生活体験の手段として参加されるケースが多いです」と教えてくれたのは、特定非営利活動法人 国際教育文化交流協会 ISECE(アイセック)の大野義夫さん。参加者は大きく分けて教員をめざす大学生や大学院生、現役の教師、そして一般の社会人の3つに分けられますが、アイセックのプログラムはあくまでも現役の教師か教職希望者を対象としているため、「一般の社会人の方でも、ほぼ100%が大学で国際関係か教育を専攻していて、教職をめざしたけれど不本意で違う仕事についたけれど、やっぱりもう一度教職をめざそうという方です。こうした軌道修正組の中には、まだ少数ですが、プログラム修了後にそのまま大学へ正規留学し、現地の教師をめざすという方もいらっしゃいますよ。現役の教師の方も、なかなか1年間の休職は難しいようで、6割位の方は退職して参加されています」。  近年、フルタイムの日本語教師の仕事が少なくなったということもあってか、大半の参加者の目的が日本語を教える体験よりも、英語力のブラッシュアップや生活体験。「クラスでは日本語を使いますが、父兄との連絡や毎週月曜日にある教員会議、ホームステイ先でも基本的に英語になります。学校でも週に1回無料の英語レッスンを行ってくれるのですが、もっと学びたければ、夜間や週末に語学学校へ通うことも可能ですので、英語力はかなりつきます。4月スタートのオレゴン州へのプログラム参加者には、夏休みに大学などのサマーセッションを受講する方もいらっしゃいますね。それに“外国語を教える”という点では、アメリカ人に日本語を教えるのも、日本人に英語を教えるのも同じですので、教職技術でも役立つことは多いですし、何よりも現地での生活を体験しているというのは、英語を教える上でとても有益です。例えば、アラスカは雪の中でハローウィンをやるのでとても寒くて、せっかくの仮装も防寒具でほとんど見えなかったけれど、みんな大騒ぎで盛り上がったとか、実際に体験したからこその強みですよね。同じ1年間をただ漠然と語学研修で終るよりも、ずっと意義は大きいと思いますよ」。

派遣先は現地教師や父兄、生徒も日本への興味や理解のある人ばかりなので安心

 アイセックのプログラムは現在、オレゴンとアラスカ、それに今度カリフォルニアが加わる予定。派遣先は幼稚園から高校まで、いずれも日本語イマージョン教育実施校ばかりです。「日本語の授業だけでなく、算数や理科などすべての授業を基本的に日本語で行うというのが日本語イマージョン教育実施校です。ただ、小学校ではいきなりすべて日本語というのは難しいので、午前中だけ日本語で午後は英語というような場合もあるようですね」。日本人学校と違い、こちらはあくまでもアメリカの教育カリキュラムに則った公立校。「数年前に日本にもすべての授業を英語でやる小学校ができて話題になりましたが、それの日本語版です。英語圏の人は外国語教育に不熱心というイメージがありますが、実はアメリカにはバイリンガル教育に熱心な人も多くて、他にも中国語やスペイン語などのイマージョン実施校もありますし、増えています」。公立校ということで当然生徒はアメリカ人。中には両親のどちらかが日本人という場合もありますが、保護者が日本と密接に関わる仕事をしているとか、日本文化や日本があるという理由で通っている生徒も多いそうです。「教師もジェットプログラムなどで日本に住んだことのある人がほとんど。それに、先ほどの“軌道修正組”が大学で教師の資格を取って就職という例もありますね。教師も保護者も日本を高く評価していて、文化や習慣への理解もある。授業も級長の“起立、礼”の号令で始まって終るなど、今の日本の学校よりもむしろ“日本らしい”くらいですよ」。  プログラム中の滞在はホームステイ。「親の会で相談し、どうしてもダメな場合は職員の家ということもありますが、基本的には生徒の保護者の家に無料でステイさせてもらいます。日本語は話せない家庭が多いですが、日本は大好きなので、いろいろ日本のことを訊かれたり、日本食を作ったり。毎週末は日本食レストラン、2週間に一度はファミリーとお寿司を食べに行っていたという参加者もいましたね」。ホームステイでは朝食と夕食の2食のみですが、昼食は学校から学食で使えるミールクーポンを支給、通学もファミリーの送迎か、公共交通機関を使う場合は学校が補填してくれるので、必要なのはお小遣い程度。かなり格安の予算で1年間の滞在が可能です。

1年間の海外教育実習で高い教員採用試験合格率

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「オレゴンのプログラムが10月から募集を開始したところです。定員は20名ですが、もう既にお問い合わせいただいていますので、大体11月いっぱい位で締め切りになりそうですね。9月スタートのアラスカとカリフォルニアも11~12月に募集開始して、2~3月で締め切りという感じだと思います」。参加資格は35歳以下の教員免許取得(見込み)か、日本語教師養成講座修了または検定試験合格している人で、ある程度の英語力(目安はTOEIC630点)のある人。最近は幼稚園への派遣を希望する現役の保母さんや幼稚園の先生も増えているそうです。「ビザの関係で年齢制限がありますが、実はシニアの方からのお問い合わせもかなり多いのです。そこで、3ヶ月以下とか、何らかの形でそうしたニーズにもお答えしていけたらと今、模索中です」。 “幼い頃から自立する事を求められるアメリカでは、このような姿勢が教育にも反映されているように思え、幼児教育と日本語教育の両方を同時に学ぶことができた”“知識だけでなく指導力や生徒の注意をひきつける力など、担当の先生の指導者としての威厳のようなものを感じ、毎日いっしょに働く中で私も子どもとの接し方、教師としての態度や行動、教師のあり方というものを自分なりに考えられるようになった”など、参加者の体験談にも充実した1年間の様子が表れています。また、この体験を経て現地の大学へ入りなおしたり、日本語教師志望から“日本の公立学校でも地域の人が手を取り合い子供たちの教育のために協力しあう体制作りをしたいと思うようになった”というように将来設計を変更する人や、帰国後、日本語教育に力を入れている母校の大学からアメリカでのイマージョン教育についての特別講義を依頼され、おお張り切りで準備中という人も。「皆さん、本当に様々な形で日本語アシスタントの経験を生かしていらっしゃいますね」。  また、大野さんが特にメリットが多いというのが教職志望の現役学生。「というのは、このプログラムに参加した学生さんは教員採用試験の合格率も高いのです1年間アメリカでの生活体験もアピールできます。今後はこうした利点をもっとアピールして、学生さんの参加者を増やしたいですね。派遣先のエリアや学校も、もっともっと開拓していきたいと思っていますので、少しでも興味のある方は、とにかくまず一度お問い合わせください」。
※取材協力・写真提供/特定非営利活動法人 国際教育文化交流協会 ISECE(アイセック) 大野義夫さん

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