留学特集
2016.01.18

今後、注目される高校留学の種類・予算・進路をプロに聞く!

高校時代のすごし方として今や選択肢の一つになった留学。柔軟で吸収力の豊富な時期に親元から離れて海外の高校生と共に過ごす経験は、英語力だけでなく、自立心や責任感、将来に対する積極的で前向きな考え方など、多くのものを与えてくれます。とはいっても、費用や英語力への不安、受験への影響など、興味があってもなかなか踏み出せない人も多いはず。そこで今回は、高校留学手配の老舗、AISE日本事務局の田口博美さんにご協力いただき、高校留学の種類や予算、その後の進路などをご紹介します。

しっかりした目的意識が留学成功の秘訣

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「留学する人は皆さん必ず“英語力をつけたい”と言いますが、高校留学の成否の鍵はその先の目的があるかどうか。いっぱい友達を作るとか、日本にないカリキュラムを受けるとか、自分の埋もれている才能を見つけるとか、将来国際的な仕事をするための下地作りなど何でも良いのですが、英語以外の目的をもつことがとても大切です」と教えてくれたのは、AISE日本事務局で数多くの高校留学の手配やサポートをしてきた田口博美さん。田口さんによると、高校生の場合、英語力自体は3~4ヶ月、長くても半年もあれば身に付くもの。英語力がついた時に他の目的がないと生活の張りもなくなるし、そこから不協和音が起きて、ホストファミリーとうまくいかなくなったり、さまざまなトラブルが起こりやすくなるというのです。「逆に、しっかりした目的のある人は、現地の高校生の考え方に触れて前向きに積極的な考え方ができるようになったり、外から見ることで改めて日本の良さに気づいたりと、多くのものを得て帰ってきます。自分の将来をしっかり考えている同級生も多いので、刺激を受けたという人も多いですね。勉強も、日本の高校と違って押し付けではなく、自分の勉強したいものを選択して自分で勉強するというシステムですから、否応なく進路を考えさせられますし、自主性も必要です。また、親御さんから離れて暮らすことで、ほとんどの人が自立して、親子ともに親離れ・子離れができますね」。留学というとまず英語力が心配という人が多いですが、それ以上に大切なのがしっかりとした目的意識、それからその目的と並んでもう一つの大きいポイントが性格です。「やはり明るくて積極的で順応力もあって人当たりが良い人は、学校にも友達にもファミリーにも溶け込みやすいですね」。

安い予算で1年間海外の高校を体験できる交換留学

 ひとくちに高校留学と言っても、主催団体の審査を受けて1年間海外の高校を体験する交換留学、その高校の全過程を修了し卒業をめざす正規留学、特に卒業を目的としないで私費で一定期間滞在する留学など、いくつかの種類があります。「弊社での取り扱いでは、一番多いのは交換留学。在籍している高校の成績や英語力が必要ですが、ボランティア家庭にホームステイしながら公立高校に通うため学費も滞在費もかからず、100万円程度で1年間留学することができます」。ただ、交換留学はできる国も限られ、都市や学校も指定できないのが難点。ちなみにAISE日本事務局でも交換留学プログラムはアメリカ限定です。  自主性を重んじるアメリカでは、日本ほど学校でも家庭でも決まりは多くありませんが、それでも治安などの最優先事項に関してはいくつかのルールがあります。基本的にスクールバスか、ホストファミリーや友達の車での通学になるので寄り道もなく、平日は学校から帰ったら家族と過ごすのが一般的。週末も治安面から門限がある場合が多いそうですが、「10時だったり12時だったり、まったくないという家庭もありますね。よく保護者の方に治安に付いて訊かれるのですが、基本的に大都市には行かないので、それほど心配はありません。地域によっては、家の鍵をかけない家庭もあるほどですよ」。治安と並んで心配事項としてあげられるのが、“親元から離れて自分ひとりでやっていけるのか”ということ。「それまでお母さんに何でもやってもらっているという人も多いですが、でも行ったら行ったでそれなりに何とかやっていますよ。事前のオリエンテーションでも、2泊3日かけて洗濯の仕方からファミリーのルール、学校のシステム、カリキュラムの取り方、友達の作り方、病気になったらどうするのかなど、それこそ手取り足取りで指導しています」。  現地の学校のスケジュールに合わせるので、夏に出発して夏に帰国。今年はなぜか1年の時に行きたいという中3からの問い合わせが多いそうですが、通常は高校2年の夏から3年の夏にかけて留学する人が多いとのこと。帰国後にどの学年に入るのかは本人の希望や学校のシステムによって違いますが、「理数系希望の人は下の学年に入る場合が多いですが、それ以外は留学先で取得した単位を認めてもらい、進級する場合がほとんどです。高校3年の夏に帰国では受験に不利なようにも感じられますが、アメリカの高校はものすごく勉強するので、勉強の仕方や集中力がしっかり身に付いて短期間で追いつくということも多いですよ」。

国・都市・学校などを自分で選べる私費留学

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 交換留学に比べて費用はかかりますが、希望や目的、レベルに合わせて留学先や期間を選べるのが私費留学。「交換留学の私費版という感じで1年間だけ留学という人も増えていますが、卒業することを目的とした正規留学の人が多いですね。行き先は目的や予算によっても違いますが、人気はカナダやオーストラリア。アメリカも最近また増えてきました」という田口さんが、留学先選定で大切だというのが“自分の行きたいところに行く”ということ。「他人から勧められたところだと、何かあったときに自分への逃げがきいてしまうんですね。高校卒業だけが目的なら勉強が楽なところが良いけれど、その後の進学を考えるならそれなりのレベルの方が良い。オーストラリアは4学期制で、どの学期からでも入学できるので、日本の年度に合わせられるというメリットがありますし、大学も留学したいから、その国の高校に行くという場合もあれば、逆に高校は比較的費用が安いニュージーランドやアイルランドでという選択肢もあります。英語力が足りない場合でも、英語集中講座のシステムがある高校なら、通常の授業を受けながら英語の補習を受けることができるので大丈夫です。いずれにしても、私費留学でも目的をしっかりと持つことが重要ですね」。  今までの留学生のほとんどが卒業後は大学に進学。帰国して日本の大学に入る人と、そのまま留学する人は半々くらい、はじめからどちらにするのか決めている人と、そうでないという人も半々くらいだそうです。「最初から日本の大学に行くつもりの人でも、帰国子女受験もありますし、先に英語を身につけて世界を知ることで大学の専攻を決めるきっかけになるなど、高校留学のメリットは多いです。日本だと高校生活は受験勉強だけになってしまうということもありますしね。日本の高校に行かないので、当然高校時代の友人は少なくなりますが、その分海外の友達ができますし、デメリットは少ないと思います。ただ、お子さんが受験戦争を経験しないことで、将来その子が受験生の親になったときにどうするのかと心配していたお父さんがいらっしゃいましたね」。

サマープログラムや短期体験プログラムなら、短期間だけのお試し留学が可

 高校留学はしてみたいけれど、日本の高校を休学したり行かないのは嫌という人や、最初から1年間は不安という人には、夏休みなどを使っての短期プログラムがお勧め。「短期間のプログラムは、大きく分けて2つあります。まずは短期間、現地の高校の授業に参加するという体験留学。オーストラリアやニュージーランドなら2週間から、カナダでは4週間から参加でき、英語力の規定も特にありません。オーストラリアやニュージーランドなら日本の夏休み期間も授業があるので、学校を休まずにご参加いただけます」。もう少し長く体験したいというなら、学期単位の“ターム留学”もあるそうです。もうひとつの短期間のプログラムがサマースクール。「文字通り夏休みに開かれているプログラムで、弊社ではアメリカとカナダ、イギリスのものをご紹介しています。基本的には留学生だけのプログラムになりますが、現地の学生との交流のアクティビティも含まれている場合が多いです。ホームステイか寮に滞在して、午前中に英語のレッスンを受け、午後はアクティビティやスポーツというプログラムが多いですね」。ちょっとだけ体験してみたい人はもちろん、長期間の留学のお試し留学としても有用な短期プログラム。まだまだ今年の夏休みの出発に間に合います。
※取材協力・写真提供/AISE日本事務局 田口博美さん

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